VALUの損失補填は間違っている

ヒカル氏のVALUの一件で運営から報告がでました。

運営側として各氏に対して被害を被った人に被害の回復をするよう内容証明を送ったようです。ようは、運営側として、損失補填をするよう発行者に要請したわけです。でも、これって株式取引だったらあり得ないです。株式取引では損失補填は禁止されています。

損失補填 - Wikipedia

なぜかというと、

投資は自己責任だからです。株を購入した人が何が起こったにせよ、その投資の成果は自分で責任を持つのがルールで、例えば、株価が下がったからと言って会社や証券会社、取引所がそれを補填することはありません。また、インサイダーなどの事案はそれで儲けた人を個別に罰することはあっても、市場が過去に起こった取引を補正することはありません。その点でVALU運営が損失補填を促しているというのは、VALUが株式ではないことの証左となっています。

こんなに、発行者のちょっとした発言で価格が揺れ動くのも、経済的な担保がないからだと思います。逆にいうと、高く買おうが安く買おうが、その本源的な経済価値を評価して買った人にとってはあんまり意味がないはずです。でも、VALUには経済的な担保がほとんどありません。

私もVALUが出た当初は個人から個人のへの出資なのかなと思ったのですが、これはどうもVALU購入者からVALU発行者への贈与に近いようです。

また、これで損害を受けた人から発行者が買い戻すことは、すでにVALUを買ったがこの件には関わっていない人との取り扱いに差が出てしまい、購入者を不平等に扱っていることになります。これも、株式であれば、株主平等原則に反しているのであり得ないことです。

どうもVALUの本質が見えてきませんね。以前に書きましたが、

VALUに興味のある人はよく考えてから買った方がいいよ - qullage

VALUには経済的な担保がありません。だから、発行したり購入したりすることになんの意味があるのかよくわからないです。単なるマネーゲームになってVALUの価値が既存されるのは一番良くないです。VALUのアイデアである簡単にできるマイクロファイナンスというのはすごく良いので、VALU運営が、ただ発行者に責任をなすり付けるのではなく、健全なVALUの発展に全力を尽くすことを切に願います。